LECの模試を活用して中小企業診断士一次試験に挑む
中小企業診断士一次試験は、全7科目と範囲が広く、独学で進めていると「自分の実力は今どれくらいなのか」「このままの勉強で大丈夫なのか」と不安になることがよくあります。私もまさにその状態でした。
そんなとき、YouTubeで「診断士Labo」さんの動画(https://www.youtube.com/watch?v=nOg6-4OGnN8)を見かけ、模試の活用を勧めていたのをきっかけに、LECの模試を受けてみることにしました。独学で進めると決めていたので、最初は予備校を使うのに抵抗がありましたが、調べてみるとLECの模試は自宅受験が可能とのこと。家を空けずに、家族に負担をかけずに受けられると分かり、それなら試してみようと思いました。自分の実力を試してみたいという気持ちも強かったです。
LEC模試の概要(2024年度)

LECでは、目的やタイミングに応じて2種類の模試が用意されています。
ステップアップ模試は、本試験のおよそ2か月前に実施される模試で、学習成果の確認や弱点の発見、直前期の学習計画を見直すにはちょうど良いタイミングです。会場受験・自宅受験の両方に対応しており、7科目一括で5,500円~8,250円(税込)。実際に解いてみて感じたのは、本試験と同程度かやや難しめという印象でした。
ファイナル模試は、本番の1か月前に実施される模試で、直前期の総仕上げに最適です。最新の出題傾向を踏まえた問題が出題されるので、本番にかなり近い感覚で実力を試すことができます。こちらも会場・自宅の両方に対応していて、価格や難易度もステップアップ模試とほぼ同様です。
また、両者ともに、自宅受験まらば模試開催日より後に受けることも可能なので、本番の日に都合がつかない方でも受験可能です。
科目戦略と企業経営理論の扱い方
私は2024年は「経営法務」「中小企業経営・政策」「経済学」の3科目に的を絞って受験する予定でした。一次試験は7科目と範囲が広いため、1年ですべて合格するのは難しいと判断し、少しでも来年の負担を減らすことを目的として、この3科目に集中する戦略を立てていました。
ただ、当時は比較的勉強時間にも余裕があり、また「企業経営理論」は二次試験との相関も強いと聞いていたことから、試しにこの科目も受けてみることにしました。とはいえ、あくまで「受けてみようかな」という程度の感覚で、最初から合格を狙っていたわけではありません。
ステップアップ模試を受けた段階では「企業経営理論も今年いけそうかな」という手応えもありましたが、模試や過去問を通じて「経営法務」がやや不安定で、落とすリスクがあると感じるようになりました。そこで、無理をせず、色気を出さずに「企業経営理論は来年に回す」と判断し、当初の戦略を固めることにしました。
私の模試受験時期と結果
ステップアップ模試
- 経営法務:32点(平均44.6)
- 経済学:64点(平均48.0)
- 企業経営理論:59点(平均45.8)
- 中小企業経営・政策:78点(平均59.6)
ファイナル模試
- 経営法務:36点(平均49.6)
- 経済学:60点(平均51.3)
- 中小企業経営・政策:64点(平均54.8)
- ※企業経営理論は受験せず
模試を活用して得られたこと
模試を受けて本当によかったと感じたのは、自分の実力を数値として可視化できたことです。得意な科目・苦手な科目が明確になり、その後の勉強計画を根本的に見直すきっかけになりました。
特に印象的だったのは、企業経営理論の扱い方を柔軟に変えられたことです。正直なところあまり勉強時間かけられていない中で59点取れたので、「このままなら来年受けてもそこまで時間かけずに通りそう」という感触が得られたことで、「今は手を広げすぎず、他の3科目合格に集中しよう。あんま勉強しないでもし今年受かったらラッキー、くらいでいいや」と判断できました。
何をやるかを決めると同時に、何をやらないかを明確にするためにも、模試は非常に有効なツールだと感じました。
また、LECの模試には非常に丁寧な解説冊子がついており、これが本当に優秀でした。模試を解いた後にこの冊子をじっくり読み込むことで、ただ解けた・解けなかったというだけではない、「なぜ間違えたのか」「どこで思考がズレていたのか」が見えてきます。私はこの冊子を本番当日にも持参して、直前の確認用教材としても活用しました。
長時間試験への耐性をつけられたことも、模試の大きな効果でした。特に自宅受験でも時間をしっかり計りって通しで解いたことが、本番への自信と準備になったと感じています。
模試で心が折れかけたことも
すべてが順調だったわけではありません。経営法務については、模試を受ける前に「過去問マスター」を何周もしていて、ある程度自信を持っていました。ですが、ステップアップ模試では32点、ファイナル模試でも36点と、どちらも足切りの結果。これは正直、心が折れかけました。
LECの模試は全体的にやや難しめで、経営法務は特にひねった問題が多く、本番よりも難易度が高く感じました。とはいえ、この模試の厳しさがあったからこそ、自分の弱さに早めに気づけて、復習にもより一層力を入れることができたと思います。
これから模試を受ける方へ伝えたいこと
これから模試を検討している方には、まず「ステップアップ模試」を早めに受けてみることをおすすめします。早い段階で模試を受けておけば、今の実力を把握するだけでなく、残りの期間でどこを修正すべきかもはっきり見えてきます。
ファイナル模試は、本番一か月前に実施されることから、本番前の実戦訓練として非常に効果的です。私もこれを受けたおかげで、本番での緊張感や集中力の使い方がイメージでき、かなり落ち着いて試験に臨むことができました。
また、LECの模試は解くだけで終わりにせず、解説冊子を最大限に活用することをおすすめします。復習こそが模試の本番だと言えるかもしれません。
そして最後に、独学で進めている方にこそ、模試だけは予備校を使ってみてほしいです。自宅受験が可能であることはもちろん、質の高い問題と解説がついてくるので、費用以上のリターンがあります。
おわりに
LECの模試は、単なる「実力試し」ではありませんでした。むしろ、自分の学習を戦略的に見直すための「ナビゲーションツール」のような存在だったと思います。
点数を通じて「できること」「足りないこと」を明確にし、限られた勉強時間をどこに配分すべきかを考え直すことができた。その積み重ねが、合格への近道だったのではないかと今では感じています。
中小企業診断士試験を目指すすべての方にとって、模試がきっと大きな力になるはずです。少しでも参考になれば幸いです。
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