中小企業診断士一次試験|【経営法務】勉強法・使用テキストと私の合格体験記〜法律初学者でも72点〜
中小企業診断士の一次試験7科目の中でも、特に「経営法務」は初学者にとってハードルの高い科目です。
私は法律の勉強がまったくの初めて。それでも本番では72点を獲得し、合格することができました。
この記事では、私がどのようにしてこの科目に取り組み、模試で撃沈してからどう立て直したかをリアルにお伝えします。
経営法務=日本語のはずなのに理解できない

私はTACのスピードテキスト(スピテキ)2023を教科書として活用しました。2024年度受験ですが、購入したタイミングでは2023年版しか無かったためです。(このせいで後々後悔することに。。)
ただ、読み始めた時に、私はまずこう思いました。
「これ、日本語で書かれてるのに全然わからない…」
例えばこんな文言が平気で出てきます。
- 瑕疵ある意思表示
- 議案要領の通知請求権
- 関連意匠制度
文字は読めても、意味が頭に入ってこない。文法的には日本語として読めるけれど、内容としては理解できない。そんな感覚が続きました。
スピテキの1周目はとにかく「読み切ること」を目標に。2周目からようやく、「あ、これは前も見た」という既視感が少しずつ出てきました。
知的財産権と会社法を最優先にマーク
経営法務の出題には明確な傾向があります。
なかでも、
- 知的財産権(特許・意匠・商標など)
- 会社法
この2つの分野は、一次試験における主要な出題領域であり、全体の6割近くを占める重要テーマです。
私はまずこの2つに全力を注ぐことを決めました。ここを押さえれば、合格点に大きく近づきます。
英文契約書対策|法律用語の英単語を暗記
また経営法務では英文契約書に関する設問が毎年必ず出題されます。
ただでさえ難しい法律を英語でやるなんて、かなりハードですよね。
サイトによっては捨て問と考える方が良いとアドバイスする傾向が多いようですが、中身的には、秘密保持契約(NDA)など、ワンパターンなことが多いので、他のテーマがある程度準備出来たら、最低限の用意で加点も期待したいと考えました。
私はスピテキに掲載されていた法律関連の英単語を中心に暗記しました。量は多くないですが、必ず出る分野として最低限の対策をしておくべきです。
スピ問→過去マス→反復→模試
スピテキを2周したあとは、同じくTACのスピード問題集(スピ問)を2周。

間違えたらすぐにスピテキに戻って確認する、というサイクルで理解を深めていきました。
その後は、過去問完全マスター(過去マス)に移行し、こちらも2周。実戦形式で知識をどう使うかを鍛えるのに最適でした。

そしてある程度上記テキストを繰り返し、最低限の自信が付いたので、LECの模試(ステップアップ模試)に5月に挑戦してみました。
ただ結果は、32点(平均44.6)。
これには正直ショックを受けました。
勉強してきたつもりだったのに、現実は厳しく、「これはもう一度立て直すしかない」と強く感じました。
スピ問・過去マスを5周|全問正解を目指し、暗記も徹底
- スピ問を5周
- 過去マスも5周
- 全問正解レベルまで仕上げる
間違えた問題は必ず理由を確認。あいまいな部分は放置せず、スピテキに戻って根拠を確認しました。
そしてこの段階で導入したのがスマホアプリ「WordHolic」。
これは中小企業診断士のYouTuberの方がおすすめしていたもので、要はデジタル版の暗記カードです。他のアプリよりも無料なのに非常に使いやすくオススメです。私は学生時代から、カードを活用した暗記がしっくりきていたので、今回も活用しました。
スピ問や過去マスを何周しても覚えきれない用語や制度だけをピックアップし、カード化してスキマ時間に復習しました。
「最初から使う」のではなく、最後に残った苦手をピンポイントでつぶす補助ツールとして使いました。
この時点でかなり暗記はしっかり行い、自信もついてきた段階で、7月に仕上げとしてLECのファイナル模試を受けました。
ファイナル模試で惨敗|心が折れたが気持ちを切り替えた
自信を持って受けたファイナル模試の結果はまさかの36点(平均49.6)。ここでかなり心が折れました。時間をかなりこの科目にかけていたため、合格は難しいかも、、、とも考えてしまいました。
ただ、考えようによっては、模試を受ける人は、受験者の中でも意識高い層だと思いますが、その人たちが平均点50未満というのは、問題が難しいのでは?また、年によって難易度に大きな差がある科目なので、どんなに頑張っても、受けるタイミングによっては不合格にもなるし仕方ない面もあるか、、、と思うように無理矢理ポジティブ変換しました。
ここまでやってしまった以上、「本番を受けるしかない」という気持ちに切り替え、「せめて悔いが残らないように最後までやろう」と考えるようになりました。
ただ、模試を受けて分かった私がやってしまった最大のミスが、前年版のテキストや問題集を買ってしまったことです。
模試で「知らない制度」が出てきて、調べてみたら試験の1〜2年前に改正された制度だったことが判明。青ざめました。
経営法務は法改正が多く、改正されたばかりのテーマが出題されやすいため、教材は必ず最新版を選ぶべきです。
その後慌ててせめて最新の過去問だけでやろうと思い、過去問を購入しました。。

ただ、あまり時間もなく、最新年度のはやりましたが、他の年度はあまり手をつけられずでした。(過去マスやっているので、概ね対応済みでしたが)
本番で72点|地道な積み上げが力になった
そして迎えた本番。最後にドタバタしましたがやるだけやったという自信は持っていたので、これで落ちたら仕方ないという状況でした。実際受けてみると、過去マスから似た問題も結構出ており、結果は72点で合格でした。
思い返すと、
- 知財と会社法に絞った戦略
- 教材の反復(スピ問・過去マスを各5周)
- 最後に残った苦手をワードホリックで拾う
- 英文契約書対策で最低限の英単語を暗記
- 最新版の過去問と法改正への対応
これらの積み上げが、確実に得点につながったと実感しています。
経営法務に不安を感じているあなたへ
法律の勉強が初めてだと、経営法務は「何を言っているのか分からない科目」に感じられるかもしれません。
でも、こう考えてください。
- 意味がわからないのは最初だけです。慣れてきます。
- 模試の点が低くても、本番で結果は出せます。
- 教材は必ず最新版を。法改正は絶対に無視できません。
- 英文契約書は毎年出ます。英単語は最低限覚えておきましょう。
覚えきれない用語も、カード化するなり何なりして、一つでもしっかり覚えましょう。やはり、いかに覚えているか。最後の最後までギリギリまで粘って暗記することが、合格への近道です。
あなたの努力が、必ず結果に結びつきます。応援しています!
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