〜事例ごとの優先順位と、実体験をふまえた戦略的アプローチ〜
はじめに
中小企業診断士の二次試験は、一次試験のような暗記中心の試験とは異なり、与件文の読解力や論理的思考力、そして限られた時間内での記述力が求められます。
単なる知識の詰め込みや暗記だけでは対応しきれず、「読んで、考えて、書く」実践的なトレーニングが不可欠です。
この記事では、私自身の体験をもとに、各事例への取り組み方と、戦略的なスケジュール設計についてご紹介します。
二次試験「4つの事例」とその特徴
二次試験の内容は下記4つの事例を、それぞれ80分で解く必要があります。詳しい説明は別の記事にするので、ここでは概要のご紹介までに留めます。
- 事例Ⅰ:組織・人事
組織構造や人事施策、経営戦略との整合性などを問われます。抽象的な課題が多く、論理的な記述力が必要です。 - 事例Ⅱ:マーケティング・流通
中小企業の販路拡大や顧客獲得施策などが中心。与件文から適切な課題を読み取り、実現可能な提案をする力が問われます。 - 事例Ⅲ:生産・技術
製造業を舞台に、業務プロセスの課題や改善策を提案します。事実ベースの整理と具体的な解決策がポイントになります。 - 事例Ⅳ:財務・会計
経営分析・計算問題・改善提案の3点セット。唯一、数値的に「正解」がある事例であり、積み上げ型の対策が可能です。
昨年の挑戦と中断、簿記2級へのシフト
私は2024年8月から、診断士二次試験に向けて本格的に学習をスタートしました。
特に事例Ⅳについては「得点源にしたい」という意識があり、「30日完成!事例Ⅳ合格点突破計算問題集」や「事例Ⅳ全知全ノウ」を使って、毎日手を動かすようにしていました。


他の事例(Ⅰ〜Ⅲ)についても「ふぞろいな答案分析」や「全知識・全ノウハウ」に軽く触れ、全体像をつかみながら進めていました。



しかし、9月に妻の妊娠が判明し、体調不良もあって私が家事・育児の多くを担う状況となり、受験の断念を決断しました。
悔しさというより、「今はそちらを優先する時期だ」と自然に受け入れられたのが正直なところです。
その後、学習の習慣を保つために2024年9月から簿記3級を勉強し始め、10月からはそのまま簿記2級の学習へ移行。
2025年2月に一発合格しました。
この経験は、診断士試験の事例Ⅳにも直結する基礎力として今に活きています。
今後の2025年10月の二次試験に向けた私の戦略〜まずは事例Ⅳ・Ⅲから着手する理由〜
現在(2025年5月)、本格的な再始動をしています。
まずは事例Ⅳの基礎力を固めるべく、「事例Ⅳが好きになる攻略マスターガイド」を使って計算・記述の両面を強化しています。
またこの教材を使い出したのは、全てパワポ資料のため、iPad一つで勉強できる点が便利だからです。私の子育ての環境上、新生児が寝ている暗い部屋でしか勉強時間がなかなか取れないので、本の形式だと勉強できないため非常に助かっています。
加えて、事例Ⅲも早い段階から取り組み始めています。事例Ⅲは製造業を題材にすることが多く、業務改善視点が問われる分、用語暗記と情報を整理して構造的に捉える訓練が必要と感じています。
この2つは「理詰め」と「暗記」で攻略できる要素が多く、最初に集中して学習することで、後の事例Ⅰ・Ⅱ対策にもリズムをつけやすいと感じています。
一方、事例Ⅰ・Ⅱは抽象度が高く、出題の方向性もブレやすいため、7月以降に腰を据えて取り組む予定です。
具体的な勉強手順(順序と方法)
- 事例Ⅳ・Ⅲを優先して基礎力と型を固める
Ⅳは「マスターガイド」で演習、Ⅲは知識整理と設問パターンの理解から - 事例Ⅰ・Ⅱは7月以降に加える
抽象度が高く、慣れと演習量がカギ - 8月以降は全事例を本試験形式で演習
タイムマネジメントと再現力を意識 - 自作の回答ストックを作る
回答の精度向上と記憶の定着に有効
私の実施スケジュール(2025年版)
- 5〜6月:事例Ⅳを毎日演習+事例Ⅲの知識整理
- 7月:事例Ⅲの過去問着手+事例Ⅰ・Ⅱも開始
- 8月:全事例を本試験形式で1周
- 9月:苦手事例の集中対策+模試活用
まとめ
昨年は家庭の事情で試験を見送りましたが、今年は明確な戦略と優先順位をもって臨んでいます。
特に事例Ⅳ・Ⅲから着手する方法は、時間が限られている中でも「成果を出しやすい」手応えがあります。
これからも記録を積み重ねながら、自分なりのやり方を磨いていきたいと思います。
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